ちっちゃくない同盟

となりのこの妹　　　となりのこ

見取り図

(満員状態の体育館)

となりのこの妹さんがまたまたお見舞いに来たよぉ。

でねでね　今日は本当のお友達になりました。

いつもはあたしの病気のこととか気にしてるみたいで
スゥゴク気を使ってる感じだったんだけど
「お前がそんなに心配したところでこだまは生きたり死んだりしないぞ。」って言ったから妹さんも打ち解けた感じになった。

そんなこと言うなってとなりのこのこと怒ってたけど。

妹さんはとなりのこのベッド周りを片付けてた。
「だらしなくて困る。」って。
なんか妹じゃなくてママみたい。

となりのこは引き出しとか開けられても全然気にしてなくてむかいのことなんかの雑誌見てた。

一番上の引き出しは妹さんからの手紙が入ってる。
読み終わるとそこに放り込むの。
妹さんはそれをいったん引き出しから全部出して送った順に並べてた。
きれいに並べるとなかなか壮観よ。

でもこの次の手紙が来ればもうガサゴソ状態になると思う。

となりのこは手紙が来るたびにめんどくさそうにする。
でも嬉しいに決まってるの。
だってだってペンナイフ使ってわざわざ開いているもん。

とってもおしゃれなペンナイフ。
銅一色のエキゾチックな刀の形をしているの。
柄の模様とかスゥゴク凝ってる。
シュッと封筒の封を切るのがかっこいい。

あたしもペンナイフほしくなっちゃった。

でね　「ちっちゃいことも気にしてないよ。」ってあたしが言ったら
となりのこの妹さんは「こだまちゃんはちっちゃくなんかないっ！」ってむかいのこ　曰く　「力説」してたよ。

となりのこの妹さんは小学一年生のときから背の順で前からずぅっと３番目なんだって。
でも　一番仲のいいお友達二人は後ろから２番目と３番目なんだって。
２人ともとなりのこの妹さんよりも頭一つ分は大きくてお話したりするとき見上げなくちゃなんないから
ちょっと首が痛いって言ってるよ。

このお友達２人はミニバス(ミニバスケットボール部)に入ってるから
となりのこの妹さんも引きづられるようにしてミニバスに入ってる。
となりのこの妹さんは球技全般がまるでだめで練習が嫌で嫌でしょうがないの。
でも　お友達といるのとか更衣室でのおしゃべりとかが楽しいからやめないんだって。

となりのこはミニバスのレギュラーだったけどとなりのこの妹さんは「万年補欠」。
でも　レギュラーが一人欠けたり休ませたりするときは即試合に出る位置なんだって。

だから練習試合になるととなりのこの妹さんを戦力にするために試合に出されまくられるんだって。
でも自分でドリブルしないですぐパス出しちゃうからバスケ教えてる先生とか保護者の人にいつも叱られまくってるの。

となりのこは「叱られてる割には進歩しない。」って言ってる。

それからとなりのこがとなりのこの妹さんの得意技を教えてくれた。
フリースローと左斜めからのロングシュートはスパスパ入るんだって。

なぜかっていう理由も教えてくれた。

フリースローが入るのはミニバスの練習のときにレギュラー陣が試合形式で練習しているときに
後輩の５年、４年組みと一緒にフリースローの練習をしているから。

「あれだけやってりゃ嫌でも入るようになるっての。」ってとなりのこが言ってる。

このとき　フリースローの練習のほかにドリブルシュートの練習も一緒にするんだけど
こっちの方はうまくならなくてゴール板の四角い枠に当てないと外れちゃうんだって。
ドリブルシュートは枠に当てないで直接入れるのがいいんだそうよ。

左斜めからのロングシュートが入るのはお昼休みに秘密があるの。
お昼休みになるととなりのこの妹さんと仲良しの２人組みは体育館に行って男子と一緒にバスケの試合をするの。
となりのこの妹さんは本当は本とか読んでたいんだけどやっぱり２人に引きづられるようにして体育館に行くの。
２人組みはとなりのこの妹さんも一緒に試合に混ぜようとするんだけどとなりのこの妹さんは男子とやるのが嫌だし
そもそも試合が嫌で嫌でしょうがないの。

「争う」ってことを子どものくせに極端に嫌うってとなりのこがいつも言ってるから
遊びでも試合形式が嫌なんだよね。

だから　となりのこの妹さんは「私はシュートの練習をしてレギュラー目指す。」っ言い訳していつも逃げてるの。
となりのこの妹さんのお友達は試合練習をした方がいいってわかってるけどそう言い訳するとそれ以上は無理強いしないんだって。

で　どうして左斜めのロングシュートかっていうと
お昼休みはそっからの位置しかシュートを入れることができないからなの。
　
お昼休みは１年生から６年生の子みんなが体育館にくるから満員状態。

となりのこの妹さんはバドミントンをやっている女の子たちの横にあるスペースからシュートを投げ続けているの。
だから　そのスペースからのシュートはばっちし入るようになったんだって。

練習も叱られるのも大変そうだけどミニバス楽しそうっ！！


となりのこの妹さんは学校に行くときはポニーテールでボーイッシュな服装して行く。

なぜかっていうととなりのこのお母さんが親戚の人に頼んで作ってもらっているワンピースを着ていくのが嫌だから。
そのオーダーメイドのワンピースがあるからって女の子の洋服は買ってもらえないんだって。
だから　となりのこの妹さんは動きやすいからボーイッシュにまとめたいって言って男の子が着そうな洋服を買ってもらってる。
親戚の人はワンピースとかスカートとかヒラヒラブラウスしか作らないんだって。

あとね　その親戚の人はリュックも手作りしてとなりのこに赤いのをとなりのこの妹さんにはピンクのをプレゼントしてくれたんだって。
それが　となりのこ　曰く「スーパー乙女チックハンドメイド」らしいの。

ウサギとリボンがいっぱいついてるんだって。
あたしが見たいって言ったら今度持ってきてくれるってとなりのこの妹さんが言ってくれた。

やったね。
どんなのかナ　早く見たい！

となりのこととなりのこの妹さんは「ものスゥウウウゴク抵抗」を感じるんだけど
となりのこのお母さんが「心のこもった手作りを蔑ろにするのは許しません。」って言ってリュックを買わせないの。
で　２人とも　まあ　年に数回しか使わないしってあきらめて
となりのこは６年間それ使い通したしとなりのこの妹さんもそうなりそうよ。

となりのこは「先生受け」はいいから何かと都合がいい面もあったって言ってる。
「先生受け」っていうのは「親御さんに愛されて育ってる。」って先生から「勝手に」思われることらしいわ。

となりのこの妹さんはハンドメイドワンピースもハンドメイドリュックも迷惑って言ってる。
でも　病院にはオーダーメイドのワンピースを着てくるの。

あたしが「オーダーメイド」見たいっていったら着て来てくれたことがあって髪の毛も下ろして来てくれたことがあったの。

そのときにK先生(ハンサムで看護師さんたちに人気のある医師)とか看護士さんたちにスゥゴクかわいいっ！って褒められてそれからほとんどワンピース着てくるようになった。

「お世辞に弱いよなぁ。」ってとなりのこ。
「K先生が『かわいい。』って言ったのが大きかったわよねぇ。」ってむかいのこ。

でもね　オーダーメイドのワンピーススゥゴクかわいいしスゥゴク似合ってるよ。
　
学校に着て行く「普段着」姿も見たことあるけどこっちのはなんとなくニヒル君の服装に似てる。
となりのこととなりのこの妹さんは　ぜぇんぜん似ていないから「普段着」姿のとなりのこの妹さんは
「ニヒル君の弟」みたいになる。

ありゃ

「気持ち悪いからそんなこと書くな。」ってとなりのこが言ってる。

今日　楽しかったナ。
となりのこの妹さんの学校の話スゥゴク面白かった。
明日も来てくれるといいナ。

こだまちゃん

となりのこととなりのこの妹の手紙

劇的なる出会い

(となりのこの妹　　　むかいのこ)

こだまちゃんとニヒル君の関係

なんとなく似ている服装

(ニヒル君　　　となりのこの妹　　　となりのこ)

スーパー乙女チックハンドメイドリュック

ワンピース

(こだまちゃん)