ラスボスな彼女4 [ おばあちゃんが優しくない。]
☆仲直りさせ隊☆
支配的なとなりのこのおばあちゃんなんだけど
仲直りさせ隊は
「堅っ苦しいのも面白くないんだよ。」って言って
かず兄に粋な「着崩し方」を教えたり
Mっちゃんの横髪を一筋梳くってクルクルって巻いて
ピン一本で留めて見せたりする
この「ちょっとだけいいおばあちゃん」をちょっとだけ好きになる。
子どもに何か書かせたり描かせたり作らせたりするのが大好きな
となりのこのおばあちゃんは
となりのこととなりのこの妹さんと仲直りさせ隊にも
手作り団扇を作らせる。
で 銘銘 団扇の骨に糊で和紙を貼り付けて
墨や絵の具で字やら絵やらを描きつけるわけなんだけど
たっちゃんがまた問題を起こす。
墨で団扇いっぱいに目鼻口を描くんだけど
明かにとなりのこのおばあちゃんの顔。
で ご丁寧にも「ラスボス」って書いてある。
(たくの大バカヤロウ。 こんなところで度胸試しなんかするなよ。)
ってかず兄は泣きたくなるんだけど
となりのこのおばあちゃんは無言のままで
自分も団扇に小筆でなにやら描き始める。
仲直りさせ隊が覗いてみるとたっちゃんの横顔が墨で描かれていて
横に「小童」って書いてある。
それを見た仲直りさせ隊は「ちょっとだけいいおばあちゃん」をだいぶ好きになる。
「『人は恐怖だけでは屈しない。』って
おばさん(となりのこの母は仲良し3家族の子供たちによく歴史や思想の話をする)
は言ってるけど本当だな。おばさんもネエネエもチョッチョも
どこかあのばあちゃんに惹かれるところがあるんだろ。」ってかず兄。
たぶんこういうのを「天性」って言うんだよね。
きっとスゥゴク魅力のある人なんだと思う。
でもそれってズゥルイ。
だからって何言ってもいいわけじゃないもん。
チョッチョはスゥゴク傷ついてるよ。
暇さえあればリールにしている『縄』をくわえて散歩をねだりに来るシーザー
『田舎のじゃり』と『あの男の子ども』
任務完了。
追記
となりのこの母方の祖父はとなりのこの妹が生まれた年の11月に亡くなっています。
満鉄で働いていた祖父は祖母の姉と結婚し娘を一人儲けたのですが
妻に先立たれ、戦後一人娘を連れて満州から引き上げてきました。
一級建築士として設計を引き受ける傍ら定時制の高校で数学を教えていたのですが
詩歌や絵画を好み暇をみては歌を詠んだりスケッチをしたりしていたそうです。
諸事情あって祖母は19の歳に13歳年上の祖父を婿にしたのですが
宮沢賢治のような性格の祖父とスーパー現実主義の祖母というコンビで
彼らの子ども達は父親から優しさを母親から厳しさを受けて育ちました。
☆祖父の字団扇☆
2008-11-14 17:32