針金人形

となりのこ

文化祭では絵と立体作品の二つを作って飾るの。

中学２年生の立体作品は「針金人形」。
別に人形じゃなくてもいいの。建物でもいいし器でもいいしとにかく針金を使ってアートするってわけ。

中学２年三人組の作品をちょっとご紹介。

ニヒル君
「ラジオ体操第二」
黒と白の針金で棒人間が作ってあってラジオ体操の第二体操をしている。
動作順にズラッと並んでるの。
第一じゃなく第二って所がミソだそうよ。

うーん
ニヒル君のセンスって不思議。


むかいのこ
「優しさ」
鯨に鈴蘭みたいな花が絡みついてるの。

とてもきれい。お店で売っている置物みたいだもん。


となりのこ
「ピエロ　イン　ザ　サマーナイト」

これすっごいの！！！

グッチャグチャに針金が丸めてあるだけなのに
座って両手を差し伸べているピエロに見えるの！！！

そのピエロの横にピエロの大きさと同じくらいの針金の塊が置いてあるの。

なんでもね、
となりのこはピエロを一時間で作っちゃったそうよ。
次からの時間はもう作る気を失くしてて
始めに用意した針金がだいぶ余っちゃったんだけど
いいやって丸めちゃったらしいの。
先生(教師)は
「残りの針金で逆立ちしたのをもう一つ作るといい。」
って言ったんだって。

となりのこはイラッときたそうよ。

で　さっさと名札書いちゃった。
題「ピエロとボール」
それを見た先生は今度は「道化師と大玉」の方がいいって言い出して
また　となりのこはイラッときたんだって。

で決めた題名が
「ピエロ　イン　ザ　サマーナイト」
語呂がいいってだけで特に意味はないそうよ。

そのときの会話を紹介するね。(むかいのこから聞いたもの)
　むかいのこ　「その丸いの満月にでもしたの？」
　となりのこ　「いいや　ボール。」
　むかいのこ　「っ・・・、・・・、・・・・。」
　となりのこ　「なんか言えよ。」
　むかいのこ　「前衛的*。」
　となりのこ　「？？？」(あたしも「？？？」)
　むかいのこ　「あなたらしいってこと。」
　となりのこ　「そりゃそうだろ。私が作ったんだから。」
　むかいのこ　「それもそうね。」

なんで英語で書かないの？ってあたしが聞いたら　「お子様に不親切だろうが。」って。

ニヒル君はそれを聞いて
「うそつけ。お前、綴り知らないんだろう？」ってからかってた。

＊「前衛的」・・・時代に先がけているさま。 　　　　　　　　　例：「前衛的な芸術」

むかいのこ

ニヒル君　　　こだまちゃん